2019年04月02日
『グラディエーター』:世評は高いが現実感のないおとぎ話
データ
『グラディエーター』GLADIATOR
評価:☆☆☆☆・・・・・・
年度:2000年
鑑賞:封切り時にスクリーンで鑑賞。2019年BS/CSで再視聴。
監督:リドリー・スコット
美術:アーサー・マックス
音楽:ハンス・ジマー
俳優:ラッセル・クロウ ホアキン・フェニックス コニー・ニールセン
オリヴァー・リード リチャード・ハリス デレク・ジャコビ ジャイモン・フンスー
製作国:アメリカ
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DreamWorks/Photofest/MediaVastJapan
コメント
私の頭の中のささやかな記憶倉庫には、これまで観た何千本かの映画がカード管理されています。
とはいえ管理はずさんで、タイトルさえ読めなくなったカードもたくさんあるなか、本作『グラディエーター』のタイトルは筆圧強い文字でしっかりと残っています。
最近WOWOWで放送すると知り、カードを取り出して裏面を読みました。
すると、監督名(リドリー・スコットさん)と主演男優名(ラッセル・クロウさん)が書かれてあるだけで、それ以外は白紙でした。
これはいかん、思いださねばと考えて、WOWOWから録画したものを4倍速で流してみました。
(それでも40分弱必要な長尺です)
で、どうしたかと言いますと、4倍速で見た後ふつうの速度で再生せず、録画を消去しました。
4倍速でも筋立てが十分に思い出せたからです。
きっと私の海馬はカードに何も書き込まないでしょう。
私にとってそういう映画です。
世の中に楽しめるだけの超大作映画があっても良いのですし、(正しいかどうかはともかく)ローマ帝国時代の歴史的再現が嬉しい作品です。
でも細部に神が宿っておらず、私の中には根を下ろしません。
たとえば冒頭でローマ対ゲルマニアの戦いが圧倒的な臨場感で描かれます。
それがちょうど、スピルバーグ監督の『プライベート・ライアン』 (1998)を思わせます。
『プライベート・ライアン』が好きな方なら本作も楽しめるでしょう。でも私はそうではありません。
ゲルマン人がパックス・ロマーナ(ローマの支配下の平和)を実現するための駒として敗北するだけ。リアリティーがないのです。
人が、世界が、こんなふうに薄っぺらに動いて行くはずがない、と感じてしまうのです。
主役マキシマムの人物描写も一本調子。
死後の世界を大真面目に語っていたところは珍しいなと思いましたが、それも少し片手間仕事で、人間性の深みや世界の根元に触れているようには思えません。
ストーリーはよくある復讐物語。あるいは敗者復活物語。
元将軍にして英雄のマキシマスはローマの剣技士(グラディエーター、奴隷)に落ちぶれても誇りを失いません。
そのマキシマスをラッセル・クロウさんはあの哀愁を帯びた目つきで存在感たっぷりに好演しています。
(『L.A.コンフィデンシャル』での表情に威厳をプラスした、というところ)
敵役のコモデゥス皇帝は少々屈折した独裁者にして人気者。ホアキン・フェニックスが良いひねくれ具合です。
それでもどうしても既視感や二番煎じ感があります。
私たちはCGに頼らない『ベン・ハー』という名作を知っていますから。
リドリー・スコット監督は、私たちの想像を超えた『エイリアン』や『ブレード・ランナー』という傑作をものにしましたが、
過去や現在の物語や人間を描き切る作品は苦手なのかもしれないな、という感想を持ったことを今思い出しました。
でもきっとカードには書かれないでしょう。
『グラディエーター』GLADIATOR
評価:☆☆☆☆・・・・・・
年度:2000年
鑑賞:封切り時にスクリーンで鑑賞。2019年BS/CSで再視聴。
監督:リドリー・スコット
美術:アーサー・マックス
音楽:ハンス・ジマー
俳優:ラッセル・クロウ ホアキン・フェニックス コニー・ニールセン
オリヴァー・リード リチャード・ハリス デレク・ジャコビ ジャイモン・フンスー
製作国:アメリカ
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コメント
私の頭の中のささやかな記憶倉庫には、これまで観た何千本かの映画がカード管理されています。
とはいえ管理はずさんで、タイトルさえ読めなくなったカードもたくさんあるなか、本作『グラディエーター』のタイトルは筆圧強い文字でしっかりと残っています。
最近WOWOWで放送すると知り、カードを取り出して裏面を読みました。
すると、監督名(リドリー・スコットさん)と主演男優名(ラッセル・クロウさん)が書かれてあるだけで、それ以外は白紙でした。
これはいかん、思いださねばと考えて、WOWOWから録画したものを4倍速で流してみました。
(それでも40分弱必要な長尺です)
で、どうしたかと言いますと、4倍速で見た後ふつうの速度で再生せず、録画を消去しました。
4倍速でも筋立てが十分に思い出せたからです。
きっと私の海馬はカードに何も書き込まないでしょう。
私にとってそういう映画です。
世の中に楽しめるだけの超大作映画があっても良いのですし、(正しいかどうかはともかく)ローマ帝国時代の歴史的再現が嬉しい作品です。
でも細部に神が宿っておらず、私の中には根を下ろしません。
たとえば冒頭でローマ対ゲルマニアの戦いが圧倒的な臨場感で描かれます。
それがちょうど、スピルバーグ監督の『プライベート・ライアン』 (1998)を思わせます。
『プライベート・ライアン』が好きな方なら本作も楽しめるでしょう。でも私はそうではありません。
ゲルマン人がパックス・ロマーナ(ローマの支配下の平和)を実現するための駒として敗北するだけ。リアリティーがないのです。
人が、世界が、こんなふうに薄っぺらに動いて行くはずがない、と感じてしまうのです。
主役マキシマムの人物描写も一本調子。
死後の世界を大真面目に語っていたところは珍しいなと思いましたが、それも少し片手間仕事で、人間性の深みや世界の根元に触れているようには思えません。
ストーリーはよくある復讐物語。あるいは敗者復活物語。
元将軍にして英雄のマキシマスはローマの剣技士(グラディエーター、奴隷)に落ちぶれても誇りを失いません。
そのマキシマスをラッセル・クロウさんはあの哀愁を帯びた目つきで存在感たっぷりに好演しています。
(『L.A.コンフィデンシャル』での表情に威厳をプラスした、というところ)
敵役のコモデゥス皇帝は少々屈折した独裁者にして人気者。ホアキン・フェニックスが良いひねくれ具合です。
それでもどうしても既視感や二番煎じ感があります。
私たちはCGに頼らない『ベン・ハー』という名作を知っていますから。
リドリー・スコット監督は、私たちの想像を超えた『エイリアン』や『ブレード・ランナー』という傑作をものにしましたが、
過去や現在の物語や人間を描き切る作品は苦手なのかもしれないな、という感想を持ったことを今思い出しました。
でもきっとカードには書かれないでしょう。
Posted by gadogadojp at 10:00│Comments(0)
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