2019年05月16日

『動く標的』:ポール・ニューマンだけを見ていれば

データ
『動く標的』
Harper
評価:☆☆☆☆☆☆・・・・
年度:1966年
鑑賞:2019年BS/CSで視聴。
監督:ジャック・スマイト
原作:ロス・マクドナルド
俳優:ポール・ニューマン(ルー・ハーパー) ローレン・バコール  ジュリー・ハリス  ロバート・ワグナー
   パメラ・ティフィン ジャネット・リー シェリー・ウィンタース アーサー・ヒル
製作国:アメリカ
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『動く標的』:ポール・ニューマンだけを見ていれば




コメント

原作の持つハードボイルド感溢れる切実な陰惨さは薄れている。けれどまあそれは映画化したのだから仕方ない。
探偵の名も、原作のアーチャーがハーパーに変えられていることだし。

単なる行方不明者の探索が、次第に依頼者家庭の闇を暴くことになり、犯罪が起き、陰鬱な結末を迎える。
ロス・マクドナルドさんの乾いた文体(とはいえ翻訳しか読んでませんが)で描かれたそういう世界が忠実に映像化されたらファンとしては嬉しいのだけれど、本作はもう少しハリウッド的軽さを基調に作られてしまった。


ポール・ミューマンさんはとても良い。
二枚目なのにきめ細かい表情演技が実に軽妙だし、もとよりスターオーラが備わっている。
どの場面もいいが、特にオープニングの数分間だけは必見だ。
ハーパーという私立探偵の生活者としての情けなさがここでよくわかる。
奥さん(ジャネット・リーさん)が逃げ出すのも無理はない。

けれど他の役者が活かしきれていない。
ローレン・バコールさん(好演)などほんともったいない使われ方だ。
他の役者陣は、物足りない。
ポール・ニューマンを輝かせるためのシナリオで作られた映画なんだろう。

観ていて退屈はしない。
でも、ポール・ニューマンファンでなければ、無理して観ることもないように思います。




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Posted by gadogadojp at 10:00│Comments(0)映画
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