2020年01月30日

『ゴーン・ガール』:Just don’t piss her off.

データ
『ゴーン・ガール』

評価:☆☆☆☆☆・・・・・
年度:2014年
鑑賞:ビデオ、DVDで鑑賞。2020年BS/CSで再視聴。
監督:デヴィッド・フィンチャー
原作・脚本:ギリアン・フリン
俳優:ベン・アフレック(ニック)ロザムンド・パイク(アミー)キャリー・クーン(マーゴ、ニックの妹)
   ニール・パトリック・ハリス(デジー) タイラー・ペリー(ボルト弁護士) ローラ・カーク(グレタ)
   キム・ディケンス(ボニー刑事)ケイシー・ウィルソン(ノエル・ホーソーン、近所の母親)
   エミリー・ラタコウスキー(アンディ、ニックの浮気相手)
製作国:アメリカ
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『ゴーン・ガール』:Just don’t piss her off.

予告編より


『ゴーン・ガール』:Just don’t piss her off.

予告編より


コメント

詳しいストーリーは省略しますが、要するにクズ男とタフ女夫婦のお話、と言い切ってしまうと身も蓋もなくなりますか。
タフ女の方は対応力抜群(by 妻)で、計画がうまくいかなくなっても臨機応変乗り切っていきます。たとえ人を殺しても。
Just don’t piss her off.彼女を怒らすとヤバイぞ。

次のシーンがどうなるかがとても気になる映画です。おまけに観客の感情移入の相手が二転三転する”揺れる”感覚を楽しむことができます。
そんなんありか?という突っ込みどころもあるのですが、総じて作品にのめり込むことができる娯楽作品です。

タフ女を演じるロザムンド・パイクさんの体当たり感がいいですし、ニックの双子の妹役のキャリー・クーンさん、ボニー刑事役のキム・ディケンスさんたち女性陣の存在感が重しとなっていました。

ただ、なんと言いますか、アメリカの連続TVドラマを見ているようなどこかチープなまとまりを感じ、私の中に傷を残す爪が見当たりません。どこか観光地の土産物屋で、目新しい図柄に惹かれて買ったものの、家に持ち帰ってみるともう一つで、食器棚の奥にしまって使わなくなってしまう湯呑みのような印象でした。

その原因は、ストーリー、演出、演技、映像などすべてに少しずつあるように思います。切実さがないのです。
結末がもっとももの足りません。「これが結婚よ」という一種の妥協で幕を閉じるのです。
家族とはそれぞれが役割を演じているだけだとするクール?な分析に、今更ながらゾッとするようなナイーブさを持つ人はどのくらいいるのでしょう。仮に結婚に夢や理想を詰め込んでいる人が多いのだとしても、本作を製作したアメリカやフランスなど欧州、そして日本でも、そのような分析で描いた映画はすでに数限りなくあったのではありませんか?一例を挙げればスタンリー・キューブリック監督は1999年に『アイズ ワイド シャット』 で夫婦という関係の空虚さに大鉈をふるっています。フィンチャー監督がいま本作を世に問う意義はありません。本作は先が読めない娯楽作品として楽しめば良いので、そういう娯楽作品としての出来栄えは中程度かな、と思っているのです。





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Posted by gadogadojp at 10:00│Comments(0)映画
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