2018年10月20日
『歌謡曲だよ、人生は』
データ
『歌謡曲だよ、人生は』
評価:☆☆☆☆☆☆・・・・
年度:2007年
鑑賞:2018年BS/CSで視聴。
監督:オムニバスにつき下記に一覧
俳優:オムニバスにつき下記に一覧
製作国:日本
allcinemaの情報ページはこちら

(C) 2007アルタミラピクチャーズ/ポニーキャニオン/ザナドゥー
コメント
オープニング・エンディングまで含めると全12作品のオムニバス。
それぞれ異なる昭和歌謡曲各1曲をモチーフにそれぞれの監督が自由に制作。
ラインアップは以下の通り。(wikipediaのお世話になりました)
あなたのお好きな歌謡曲はありましたでしょうか。
私の場合、「ダンシング・セブンティーン」と「これが青春だ」 以外はよく知っていて、しかも好きな曲ばかり。
中でも「ざんげの値打ちもない」は、別ブログ「あんたの歌を 聞かせてくれ」で選んだ日本語の名歌名唱百選に選ばせていただいた大好きな曲です。
もちろん、それぞれの監督たちと私とでは、その曲の内容やイメージが異なる場合が多いのですが、そんなことは当たり前。
気にならずに2時間楽しめました。
オムニバス映画にはあまり食指が働かない私ですので、数少ない体験の『ユメ十夜』と比較してみます。
『ユメ十夜』は、臆病な料理人の調理。端正に調えられているものの独創性がなく、食べても力が湧かない料理。
『歌謡曲・・』は素人料理。独創性に富んでいるから当たり外れはあるものの、調理人のエネルギーが伝わって元気が出る料理。
と言えましょう。
心に元気が減り、何だか平板な毎日を過ごしておられるあなたなら、もしかするとニンニクたっぷりの餃子を食べた後のように力が湧いてくるかもしれません。
ま、少し褒めすぎですが。

予告編より
オープニング「ダンシング・セブンティーン」 (歌:オックス)
第1話 「僕は泣いちっち 」(歌:守屋浩)オススメ
監督・脚本 - 磯村一路
出演 - 青木崇高、伴杏里、六平直政、下元史朗
見所:原曲の「僕も行こう、あの娘の住んでる東京へ」(浜口庫之助)を実行してしまった青年のお話。青木崇高さんの「オレはヤルゼ」感がgood。(by 妻)
第2話 「これが青春だ」 (歌:布施明)
監督・脚本 - 七字幸久
出演 - 松尾諭、加藤理恵、U.K.、池田貴美子、徳井優、田中要次
見所:松尾諭さんの切ないエアギターは必見かも。確かにまあ青春だわさ。でもそもそもは主人公が恋をするにはだらしなかったせいだね。
第3話 「小指の想い出 」(歌:伊東ゆかり)
監督・脚本 - タナカ・T
出演 - 大杉漣、高松いく、中山卓也
見所:高松いくさんの笑顔は可愛い。原曲が流行していた頃に付き合っていて、、、という設定でしょうが、映画との関係に説得力は乏しい。昔の彼女そっくりのラブドール、、という内容は切ないというより気色悪いよ。映像もカラオケ背景映像以下。
第4話「ラブユー東京」 (歌:黒沢明とロス・プリモス)オススメ
監督・脚本 - 片岡英子
出演 - 正名僕蔵、本田大輔、千崎若菜
見所:もっともシュールな作品。先史時代に好き合っていたゲイのカップルが火山噴火のせいでなぜか現代に生まれ変わったものの、愛する彼は女性が好きな男になっていた・・悲哀といえば悲哀ですが、ぶっ飛んだ設定に笑えます。
もっとも妻はゲイのカップルではなく、男女だった、それが性別を変えて生まれ変わったのだと言います。それはそれでぶっ飛んでますから、どちらでもいいでしょうかしら。
第5話 「女のみち」(歌:宮史郎)オススメ
監督・脚本 - 三原光尋
出演 - 宮史郎、久野雅弘、板谷由夏
見所:昔のお笑い芸人さんは歌も芝居もお上手です。妻は板谷さんの起用に驚く妻。詳しくは後述。
第6話 「ざんげの値打ちもない 」(歌:北原ミレイ)オススメ
監督・脚本 - 水谷俊之
出演 - 余貴美子、山路和弘、吉高由里子、山根和馬
見所:若い吉高さん(いい目つき)に過去の自分を重ね合わせ、自分の轍を踏まないように自立を促す、やさぐれ余貴美子さんの目の表情が絶品です。場末感のある映像は歌ともマッチ。
第7話 「いとしのマックス/マックス・ア・ゴーゴー」 (歌:荒木一郎)オススメ
監督・脚本 - 蛭子能収
出演 - 武田真治、インリン・オブ・ジョイトイ、久保麻衣子、矢沢心、希和、長井秀和
見所:血まみれバイオレンス。蛭子さんの漫画そのままのはちゃめちゃな結末に映画の楽しさを感じました。妻によれば原曲がそのまま生かされていると。でもまさか「真っ赤なドレス」がこう使われるとは!武田真治さんのドヤ顔に悶え笑い。ヒロインは顔を引きつらせたまま。二人の今後がどうなるかはもうはっきり見えますね。
第8話 「乙女のワルツ」 (歌:伊藤咲子)
監督・脚本 - 宮島竜治
出演 - マモル・マヌー、内田朝陽、高橋真唯、梅沢昌代、山下敦弘、エディ藩、鈴木ヒロミツ
見所:原曲とのマッチングに失敗。映像の印象は薄くて、カラオケ背景映像の域を出ません。最後に主役を現実に戻す梅沢昌代さんはいい味。それにしても伊藤咲子さんの歌が胸を打つとは予想外でした。いい曲ですね。
第9話 「逢いたくて逢いたくて」 (歌:園まり)オススメ
監督・脚本 - 矢口史靖
出演 - 妻夫木聡、伊藤歩、ベンガル、江口のりこ、堺沢隆史、寺部智英、小林トシ江
見所:越した先の部屋の前住人との心温まるエピソード。脚本・演出の完成度の高さはさすが矢口監督。妻夫木さんと伊藤さんが主役という豪華版ですから当然かもしれませんが。ベンガルさんの心情と原曲の雰囲気は私にはミスマッチでした。とはいえ歌謡曲ファンでない方にもこの作品だけはご覧になれば?と薦めます。
第10話 「みんな夢の中」 (歌:高田恭子)
監督・脚本 - おさだたつや
出演 - 高橋恵子、烏丸せつこ、松金よね子、キムラ緑子、田山涼成、本田博太郎、鈴木ヒロミツ、北見敏之、村松利史
見所:同窓会のお話。高橋恵子さんは雰囲気あるわねと妻。そうなんです、ならばもう少し高橋さんに焦点を絞れば良かった。散漫で冗長な印象。また、子ども時代の回想を「みんな夢の中」と括るのは無理筋でしょう。
エンディング「東京ラプソディ」 (歌:渥美二郎、オリジナル:藤山一郎)
監督・脚本 - 山口晃二
出演 - 瀬戸朝香、田口浩正、中村咲哉
私たち夫婦は各々のベスト3を作ってみました。
妻
第一位 「逢いたくて逢いたくて」
第二位 「ざんげの値打ちもない 」
第三位 「ラブユー東京」
私
第一位 「女のみち」
第二位 「いとしのマックス/マックス・ア・ゴーゴー」
第三位 「ざんげの値打ちもない 」
ちなみに、「こんな映画は見ちゃいけない」さんのベストスリーは、以下の模様です。
第一位 「女のみち」
第二位 「小指の思い出」
第二位 「 いとしのマックス/マックス・ア・ゴーゴー」
また、「365日映画コラム」さんは、本作全体を痛烈に批判される中で、二作品だけ推しておられます。それは
「女のみち」
「逢いたくて逢いたくて」
他の方の好みも尋ねてみたいものです。
できれば全世界の人々にみていただいて(笑)

シネマぴあ
ですが、私の中で「女のみち」の首位は動かないでしょう。
これこそオムニバス短編映画の代表例とすら思います。
サウナに耐えている青年。
そこに刺青のヤクザが入室。
「女のみち」の歌詞がどうしても思い出せない、と。
服役生活中、週に一回面会に来てくれた女性がいて、その女性のためにもどうしても思い出したいと。
歌詞を思い出す手伝いをさせられる青年。
思い出すまでサウナから出してもらえない。
・・・
そのヤクザを演じるのがぴんからトリオの宮史郎さん。
ご本人が歌うのは本作ではこの短編だけ。
歌詞を思い出した後には銭湯の客たちの声援に包まれて熱唱。
銭湯を後にしたら、
何と和服姿の美女、板谷由夏さんが待っている。
面会の女性とは板谷さんだったのか!
その二人を眺め、胸ふくらませて「良かったあ」と笑顔になる青年・・・
この面白さと意外性に溢れる設定を考えた三原光尋監督は、関西を活動拠点にする映画監督。
大阪芸大出身だそうな。
『歌謡曲だよ、人生は』
評価:☆☆☆☆☆☆・・・・
年度:2007年
鑑賞:2018年BS/CSで視聴。
監督:オムニバスにつき下記に一覧
俳優:オムニバスにつき下記に一覧
製作国:日本
allcinemaの情報ページはこちら

(C) 2007アルタミラピクチャーズ/ポニーキャニオン/ザナドゥー
コメント
オープニング・エンディングまで含めると全12作品のオムニバス。
それぞれ異なる昭和歌謡曲各1曲をモチーフにそれぞれの監督が自由に制作。
ラインアップは以下の通り。(wikipediaのお世話になりました)
あなたのお好きな歌謡曲はありましたでしょうか。
私の場合、「ダンシング・セブンティーン」と「これが青春だ」 以外はよく知っていて、しかも好きな曲ばかり。
中でも「ざんげの値打ちもない」は、別ブログ「あんたの歌を 聞かせてくれ」で選んだ日本語の名歌名唱百選に選ばせていただいた大好きな曲です。
もちろん、それぞれの監督たちと私とでは、その曲の内容やイメージが異なる場合が多いのですが、そんなことは当たり前。
気にならずに2時間楽しめました。
オムニバス映画にはあまり食指が働かない私ですので、数少ない体験の『ユメ十夜』と比較してみます。
『ユメ十夜』は、臆病な料理人の調理。端正に調えられているものの独創性がなく、食べても力が湧かない料理。
『歌謡曲・・』は素人料理。独創性に富んでいるから当たり外れはあるものの、調理人のエネルギーが伝わって元気が出る料理。
と言えましょう。
心に元気が減り、何だか平板な毎日を過ごしておられるあなたなら、もしかするとニンニクたっぷりの餃子を食べた後のように力が湧いてくるかもしれません。
ま、少し褒めすぎですが。

予告編より
オープニング「ダンシング・セブンティーン」 (歌:オックス)
第1話 「僕は泣いちっち 」(歌:守屋浩)オススメ
監督・脚本 - 磯村一路
出演 - 青木崇高、伴杏里、六平直政、下元史朗
見所:原曲の「僕も行こう、あの娘の住んでる東京へ」(浜口庫之助)を実行してしまった青年のお話。青木崇高さんの「オレはヤルゼ」感がgood。(by 妻)
第2話 「これが青春だ」 (歌:布施明)
監督・脚本 - 七字幸久
出演 - 松尾諭、加藤理恵、U.K.、池田貴美子、徳井優、田中要次
見所:松尾諭さんの切ないエアギターは必見かも。確かにまあ青春だわさ。でもそもそもは主人公が恋をするにはだらしなかったせいだね。
第3話 「小指の想い出 」(歌:伊東ゆかり)
監督・脚本 - タナカ・T
出演 - 大杉漣、高松いく、中山卓也
見所:高松いくさんの笑顔は可愛い。原曲が流行していた頃に付き合っていて、、、という設定でしょうが、映画との関係に説得力は乏しい。昔の彼女そっくりのラブドール、、という内容は切ないというより気色悪いよ。映像もカラオケ背景映像以下。
第4話「ラブユー東京」 (歌:黒沢明とロス・プリモス)オススメ
監督・脚本 - 片岡英子
出演 - 正名僕蔵、本田大輔、千崎若菜
見所:もっともシュールな作品。先史時代に好き合っていたゲイのカップルが火山噴火のせいでなぜか現代に生まれ変わったものの、愛する彼は女性が好きな男になっていた・・悲哀といえば悲哀ですが、ぶっ飛んだ設定に笑えます。
もっとも妻はゲイのカップルではなく、男女だった、それが性別を変えて生まれ変わったのだと言います。それはそれでぶっ飛んでますから、どちらでもいいでしょうかしら。
第5話 「女のみち」(歌:宮史郎)オススメ
監督・脚本 - 三原光尋
出演 - 宮史郎、久野雅弘、板谷由夏
見所:昔のお笑い芸人さんは歌も芝居もお上手です。妻は板谷さんの起用に驚く妻。詳しくは後述。
第6話 「ざんげの値打ちもない 」(歌:北原ミレイ)オススメ
監督・脚本 - 水谷俊之
出演 - 余貴美子、山路和弘、吉高由里子、山根和馬
見所:若い吉高さん(いい目つき)に過去の自分を重ね合わせ、自分の轍を踏まないように自立を促す、やさぐれ余貴美子さんの目の表情が絶品です。場末感のある映像は歌ともマッチ。
第7話 「いとしのマックス/マックス・ア・ゴーゴー」 (歌:荒木一郎)オススメ
監督・脚本 - 蛭子能収
出演 - 武田真治、インリン・オブ・ジョイトイ、久保麻衣子、矢沢心、希和、長井秀和
見所:血まみれバイオレンス。蛭子さんの漫画そのままのはちゃめちゃな結末に映画の楽しさを感じました。妻によれば原曲がそのまま生かされていると。でもまさか「真っ赤なドレス」がこう使われるとは!武田真治さんのドヤ顔に悶え笑い。ヒロインは顔を引きつらせたまま。二人の今後がどうなるかはもうはっきり見えますね。
第8話 「乙女のワルツ」 (歌:伊藤咲子)
監督・脚本 - 宮島竜治
出演 - マモル・マヌー、内田朝陽、高橋真唯、梅沢昌代、山下敦弘、エディ藩、鈴木ヒロミツ
見所:原曲とのマッチングに失敗。映像の印象は薄くて、カラオケ背景映像の域を出ません。最後に主役を現実に戻す梅沢昌代さんはいい味。それにしても伊藤咲子さんの歌が胸を打つとは予想外でした。いい曲ですね。
第9話 「逢いたくて逢いたくて」 (歌:園まり)オススメ
監督・脚本 - 矢口史靖
出演 - 妻夫木聡、伊藤歩、ベンガル、江口のりこ、堺沢隆史、寺部智英、小林トシ江
見所:越した先の部屋の前住人との心温まるエピソード。脚本・演出の完成度の高さはさすが矢口監督。妻夫木さんと伊藤さんが主役という豪華版ですから当然かもしれませんが。ベンガルさんの心情と原曲の雰囲気は私にはミスマッチでした。とはいえ歌謡曲ファンでない方にもこの作品だけはご覧になれば?と薦めます。
第10話 「みんな夢の中」 (歌:高田恭子)
監督・脚本 - おさだたつや
出演 - 高橋恵子、烏丸せつこ、松金よね子、キムラ緑子、田山涼成、本田博太郎、鈴木ヒロミツ、北見敏之、村松利史
見所:同窓会のお話。高橋恵子さんは雰囲気あるわねと妻。そうなんです、ならばもう少し高橋さんに焦点を絞れば良かった。散漫で冗長な印象。また、子ども時代の回想を「みんな夢の中」と括るのは無理筋でしょう。
エンディング「東京ラプソディ」 (歌:渥美二郎、オリジナル:藤山一郎)
監督・脚本 - 山口晃二
出演 - 瀬戸朝香、田口浩正、中村咲哉
私たち夫婦は各々のベスト3を作ってみました。
妻
第一位 「逢いたくて逢いたくて」
第二位 「ざんげの値打ちもない 」
第三位 「ラブユー東京」
私
第一位 「女のみち」
第二位 「いとしのマックス/マックス・ア・ゴーゴー」
第三位 「ざんげの値打ちもない 」
ちなみに、「こんな映画は見ちゃいけない」さんのベストスリーは、以下の模様です。
第一位 「女のみち」
第二位 「小指の思い出」
第二位 「 いとしのマックス/マックス・ア・ゴーゴー」
また、「365日映画コラム」さんは、本作全体を痛烈に批判される中で、二作品だけ推しておられます。それは
「女のみち」
「逢いたくて逢いたくて」
他の方の好みも尋ねてみたいものです。
できれば全世界の人々にみていただいて(笑)

シネマぴあ
ですが、私の中で「女のみち」の首位は動かないでしょう。
これこそオムニバス短編映画の代表例とすら思います。
サウナに耐えている青年。
そこに刺青のヤクザが入室。
「女のみち」の歌詞がどうしても思い出せない、と。
服役生活中、週に一回面会に来てくれた女性がいて、その女性のためにもどうしても思い出したいと。
歌詞を思い出す手伝いをさせられる青年。
思い出すまでサウナから出してもらえない。
・・・
そのヤクザを演じるのがぴんからトリオの宮史郎さん。
ご本人が歌うのは本作ではこの短編だけ。
歌詞を思い出した後には銭湯の客たちの声援に包まれて熱唱。
銭湯を後にしたら、
何と和服姿の美女、板谷由夏さんが待っている。
面会の女性とは板谷さんだったのか!
その二人を眺め、胸ふくらませて「良かったあ」と笑顔になる青年・・・
この面白さと意外性に溢れる設定を考えた三原光尋監督は、関西を活動拠点にする映画監督。
大阪芸大出身だそうな。
Posted by gadogadojp at 10:00│Comments(0)
│映画
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