2019年03月16日

『始皇帝暗殺』:見える『史記』

データ
『始皇帝暗殺』
荊軻刺秦王
評価:☆☆☆☆☆☆・・・・
年度:1998年
鑑賞:封切り時にスクリーンで鑑賞。その後ビデオで一回、また2019年BS/CSで視聴。
監督:陳凱歌、チェン・カイコー
俳優:趙姫 =鞏俐、コン・リー 荊軻=張豊毅、チャン・フォンイー 
   秦王・政(後の始皇帝)=李雪健、リー・シュエチエン 燕丹=孫周、スン・チョウ
   嫪毐(長信侯)=王志文、ワン・チーウェン 樊於期=呂暁禾、リュイ・シャオホ
   呂不韋=陳凱歌、チェン・カイコー 母后=顧永菲、クー・ヨンフェイ 
   盲目の少女=周迅、ジョウ・シュン 
製作国:中国、日本、フランス
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『始皇帝暗殺』:見える『史記』

出典不明ですが、角川書店や北京映画製作所などに著作権は保有されているものと思われます。不都合あればご一報ください。削除します。


コメント

話の筋はとてもシンプルですから紹介はしません。

3回目ともなると流石にアラが気になってきます。
そのアラとは、専門用語は知りませんが、随所に感じるカットの飛び飛び感のことです。
え?ぶつ切り?と。

その原因は、おそらく映画時間の短縮を図るために監督でなく編集者が無理やり切ったのでしょう。
観客が作品世界にのめり込むことを損なっています。惜しいことです。

それでも私はこの映画が好きです。
あざといほどの大スケール感と大げさな演出ぶりが、どういうわけか本作ではマッチしていたように思います。
(妻は劇団新感線の演目にしたらどうだと言い、例によって配役を空想しています。)
ストーリー自体が地味なせいでしょうか。
そしてその地味さに関連するように思いますが、どこか垢抜けず美しすぎない、、言い換えれば場末感が漂っているところが好きです。
その点で、二千年以上前の『史記』の世界がこの目で見えた、と錯覚できるのが楽しい。
燕の太鼓など、もう興奮してしまいます。(良い音響環境で観てください。)

そのチェン・カイコーさん演出に応えた中国俳優たちがまたよろしいです。

張豊毅(チャン・フォンイー)さんは『さらば、我が愛 覇王別姫』(チェン・カイコー監督)と『レッドクリフ』(ジョン・ウー監督)でその演技に魅了されましたが、ここでは動→静→動のメリハリがよく効いていました。
そして何と言っても王志文(ワン・チーウェン)さんの芝居がとても好きです。秦王を欺くニセ宦官ぶりがなかなかの曲者感たっぷりで。
脚本面で秦王の孤独ぶりがもう一歩深められていたら秀作になったと思うのですが、ただでさえ長い映画ですので、無理だったかもしれませんね。



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Posted by gadogadojp at 10:00│Comments(0)映画
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