2018年11月04日

『焼肉ドラゴン』

データ
『焼肉ドラゴン』

評価:☆☆☆☆☆☆☆・・・
年度:年
鑑賞:封切り時にスクリーンで鑑賞。2018年BS/CSで再視聴。
監督:鄭義信
原作:鄭義信(戯曲)
俳優:キム・サンホ(父) イ・ジョンウン(母) 真木よう子(長女) 井上真央(次女)
   桜庭ななみ(三女) 大泉洋(次女の夫) 大谷亮平
   ハン・ドンギュ イム・ヒチョル 根岸季衣
製作国:日本
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『焼肉ドラゴン』

写真は全て映画の公式HPから

コメント

和歌山市で映画『焼肉ドラゴン』を観てきました。
1970年前後の尼崎「朝鮮人部落」内のホルモン屋さんのお話。
生駒山と伊丹空港が借景になっています。
西宮市に住み、父が尼崎で働いていた私にはかなり懐かしい風景でした。

一家が(一帯が)立ちのきを迫られていること、
息子が中学校でイジメにあっていることを除くと、
済州島四・三事件や朝鮮併合、戦争のことなど大状況の難しい話は背景に収めていて、
映画の中心は家族の物語です。

苦しいことが続いても、明日はきっと良い日になるに違いないという父親のモットーが反映された、明るい映画だと言っておきましょう。
ただし長女が北朝鮮、次女が韓国へ移住する(帰国する)シーンで、
地上に影を落としながら爆音を立てて飛行機が上空を横切リます。
不安の暗喩ですよね、これは。

真木よう子さん、素晴らしい。井上真央さん、うまい。桜庭ななみさん、可愛いくもたくましい。
私はこのくらいの表現しかできないのですが、妻の三姉妹評はもう少し充実しています。
「長女は優しい設定だけど、真木よう子さんを起用するということは、韓国人には優しさと強さが求められるということかな。次女は巻き舌でポンポン言う。三女はぶっ飛んでる。三人ともあまり笑顔を見せない。」
そうですね、韓国人は日本人より笑顔が少ない気がします。それはイカツイからではなく、(日本人がよく見せる)追従笑いやトラブルを避けるための笑顔が韓国では少ないからではないでしょうか。私はそれを強さだと考えています。
あ、少し話題が逸れました。

以上の三姉妹をはじめ、大泉さん、大谷さんなど日本の役者陣も熱演していましたが、
何と言っても、三姉妹の両親役のハン・ドンギュさんとキム・サンポさんの年季の入った確かな芝居はもう感涙ものでした。
二人とも韓国の役者さんで在日の方ではないのですが、「在日」を完全に理解した上での演技のように感じました。
その演技を見るだけでも本作はおすすめできます。


ちょうど私はその三日前に鶴橋・桃谷あたりをうろついていたので本作のテーマはタイムリーでした。
その時買ってきた鶴橋の岡村商店さんのキムチとマッコリで、帰宅後は夫婦で映画に乾杯しました。

そうそう、もうすぐ『済州島四・三事件―「島(タムナ)のくに」の死と再生の物語』の中古本が届くはずなので、
これでもっと勉強せなあきまへんな。


良い映画でしたが、小さな不満を一つ書いておきます。
本作は「ドラゴン」という名の焼肉屋が舞台なのですが、
ホルモンなど韓国料理の質素でも美味しそうなアップの映像がほとんどありませんでした。
食べ物屋さんが舞台なのに惜しいではありませんか。
元が演劇でしたから、映画化に当たって考えが及ばなかったのでしょうか。
その代わり、やかんに入ったマッコリが「マッコリあるある」・・うまそうでした。


さらに批評を書きたいのですが、長くなりそうでまとまりません。
とりあえずコメントだけでアップしておくことにします。


『焼肉ドラゴン』



『焼肉ドラゴン』




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Posted by gadogadojp at 10:00│Comments(0)映画
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