2018年10月24日
『アヒルと鴨のコインロッカー』:異国の風に吹かれて
データ
『アヒルと鴨のコインロッカー』The Foreign Duck, the Native Duck and God in a Coin Locker
評価:☆☆☆☆☆☆・・・・
年度:2007年公開
鑑賞:2018年BS/CSで視聴。
監督:中村義洋
原作:伊坂幸太郎
主題歌:『風に吹かれて』Blowin' in the Wind ボブ・ディラン
俳優:濱田岳 瑛太 関めぐみ 田村圭生 関暁夫(ハローバイバイ) 杉山英一郎 東真彌 藤島陸八
岡田将生 眞島秀和 野村恵里 平田薫 寺十吾 恩田括 キムラ緑子 なぎら健壱 猫田直
土井原菜央 中村尚 佐藤楓 松田龍平 大塚寧々
製作国:日本
allcinemaの情報ページはこちら

『アヒルと鴨のコインロッカー』製作委員会
コメント
映画の最後、空港のシーンがとても印象的でした。
このラストシーンのために本作は生まれたのか、と思うほどです。
神様を空港のコインロッカーにしまいます。
神様に自分たちの「犯行」を見て見ぬ振りをしてもらうために。
神様とはボブ・ディラン。
この空港のシーンでは、濱田岳さんと瑛太さんの微妙な関係に一本の糸が繋がるような、あるいは繋がっていたことが可視化されるような気持ちになりました。
アヒルは外国人。
鴨は日本人。
両者の違いは文化の違いか人間性の違いか。
いえ、こういう書き方は作品理解のミスリードになりますね。
異文化理解を啓蒙するような堅苦しい映画ではありませんから。
脚本は適度に入り組んでいて、観客に推理せよと要求します。
ですから推理しながら観るのですが、それでもいくつもの意外な事実が明らかになり、観客は心の中で「あっ」と叫ぶのです。
真相が知らされ、決着がついても、どこか割り切れなさが残ります。(褒めてます)
とはいえ、いつもながら濱田岳さんの演技力の平凡さは並外れていますので、安心して見ておれます。(褒めてます)
いつもながら瑛太さんのどこか裏表のある人物像はやっぱりその通りなので、これまた安心です。(褒めてます)
そういう意味で意外性だけではなくサービス精神にも富んだ優しい作品だと思いました。
作品内容の詳細、特に意外な展開については語らないでおきます。
若干の物足りなさ、瑕疵についても触れないでおきます。
ただ、思います。私はブータンに旅したいと。
主題歌?「風に吹かれて」について、作者ボブ・ディランが1962年に雑誌「シング・アウト!」に掲載したコメントをwikipediaから引用して、短い感想を終わらせていただきます。(赤字は筆者)
「この歌についちゃ、あまり言えることはないけど、ただ答えは風の中で吹かれているということだ。答えは本にも載ってないし、映画やテレビや討論会を見ても分からない。風の中にあるんだ、しかも風に吹かれちまっている。ヒップな奴らは「ここに答えがある」だの何だの言ってるが、俺は信用しねえ。俺にとっちゃ風にのっていて、しかも紙切れみたいに、いつかは地上に降りてこなきゃならない。でも、折角降りてきても、誰も拾って読もうとしないから、誰にも見られず理解されず、また飛んでいっちまう。世の中で一番の悪党は、間違っているものを見て、それが間違っていると頭でわかっていても、目を背けるやつだ。俺はまだ21歳だが、そういう大人が大勢いすぎることがわかっちまった。あんたら21歳以上の大人は、だいたい年長者だし、もっと頭がいいはずだろう。」

『アヒルと鴨のコインロッカー』製作委員会
『アヒルと鴨のコインロッカー』The Foreign Duck, the Native Duck and God in a Coin Locker
評価:☆☆☆☆☆☆・・・・
年度:2007年公開
鑑賞:2018年BS/CSで視聴。
監督:中村義洋
原作:伊坂幸太郎
主題歌:『風に吹かれて』Blowin' in the Wind ボブ・ディラン
俳優:濱田岳 瑛太 関めぐみ 田村圭生 関暁夫(ハローバイバイ) 杉山英一郎 東真彌 藤島陸八
岡田将生 眞島秀和 野村恵里 平田薫 寺十吾 恩田括 キムラ緑子 なぎら健壱 猫田直
土井原菜央 中村尚 佐藤楓 松田龍平 大塚寧々
製作国:日本
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『アヒルと鴨のコインロッカー』製作委員会
コメント
映画の最後、空港のシーンがとても印象的でした。
このラストシーンのために本作は生まれたのか、と思うほどです。
神様を空港のコインロッカーにしまいます。
神様に自分たちの「犯行」を見て見ぬ振りをしてもらうために。
神様とはボブ・ディラン。
この空港のシーンでは、濱田岳さんと瑛太さんの微妙な関係に一本の糸が繋がるような、あるいは繋がっていたことが可視化されるような気持ちになりました。
アヒルは外国人。
鴨は日本人。
両者の違いは文化の違いか人間性の違いか。
いえ、こういう書き方は作品理解のミスリードになりますね。
異文化理解を啓蒙するような堅苦しい映画ではありませんから。
脚本は適度に入り組んでいて、観客に推理せよと要求します。
ですから推理しながら観るのですが、それでもいくつもの意外な事実が明らかになり、観客は心の中で「あっ」と叫ぶのです。
真相が知らされ、決着がついても、どこか割り切れなさが残ります。(褒めてます)
とはいえ、いつもながら濱田岳さんの演技力の平凡さは並外れていますので、安心して見ておれます。(褒めてます)
いつもながら瑛太さんのどこか裏表のある人物像はやっぱりその通りなので、これまた安心です。(褒めてます)
そういう意味で意外性だけではなくサービス精神にも富んだ優しい作品だと思いました。
作品内容の詳細、特に意外な展開については語らないでおきます。
若干の物足りなさ、瑕疵についても触れないでおきます。
ただ、思います。私はブータンに旅したいと。
主題歌?「風に吹かれて」について、作者ボブ・ディランが1962年に雑誌「シング・アウト!」に掲載したコメントをwikipediaから引用して、短い感想を終わらせていただきます。(赤字は筆者)
「この歌についちゃ、あまり言えることはないけど、ただ答えは風の中で吹かれているということだ。答えは本にも載ってないし、映画やテレビや討論会を見ても分からない。風の中にあるんだ、しかも風に吹かれちまっている。ヒップな奴らは「ここに答えがある」だの何だの言ってるが、俺は信用しねえ。俺にとっちゃ風にのっていて、しかも紙切れみたいに、いつかは地上に降りてこなきゃならない。でも、折角降りてきても、誰も拾って読もうとしないから、誰にも見られず理解されず、また飛んでいっちまう。世の中で一番の悪党は、間違っているものを見て、それが間違っていると頭でわかっていても、目を背けるやつだ。俺はまだ21歳だが、そういう大人が大勢いすぎることがわかっちまった。あんたら21歳以上の大人は、だいたい年長者だし、もっと頭がいいはずだろう。」

『アヒルと鴨のコインロッカー』製作委員会
Posted by gadogadojp at 10:00│Comments(0)
│映画
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