2018年07月04日
『東京喰種 トーキョーグール』
データ
『東京喰種 トーキョーグール』
評価：☆☆☆☆☆・・・・・
年度：2017年
鑑賞：2018年BS/CSで視聴。
監督：萩原健太郎
原作：石田スイ
主題歌：illion（「BANKA」）
俳優：窪田正孝（カネキ） 清水富美加（トーカ） 鈴木伸之（亜門） 桜田ひより（ヒナミ） 蒼井優（リゼ）
大泉洋（真戸） 村井國夫 小笠原海 永近英良 白石隼也 相田翔子 柳俊太郎 坂東巳之助 佐々木希
浜野謙太 古畑星夏 前野朋哉 ダンカン 岩松了
製作国：日本
allcinemaの情報ページはこちら
予告より
コメント＋批評
原作漫画は全く知らなかったので、
主人公カネキのマスク姿を見たときには思わずカッケーっと叫んでしまいました。
映画全体、エンドクレジットに至るまでビジュアルが美しい映画です。
それもあって、細部を見落とすまいと身を乗り出すようなおもしろい映画でした。
カネキ役の窪田正孝さん、とてもいいですね。体の動きも、フィクションに照れずに本気で感情をぶつけるところも。
なんでも、原作者の石田スイさんたっての希望で主演に抜擢されたとか。
「十年前ならたっちゃん（藤原竜也）が演っていた」と妻。
なるほど、そういうポジションなんだな。
初主演映画がこの肩に力の入るファンタジー。
役柄が人間ではないグール（喰種）でもない、とは役者冥利に尽きますな。
窪田さん前途洋々の証かもしれません。
もっとも、カネキは元は平凡な人間でした。
グールのリゼ（蒼井優さん）を見染めたばかりに、彼女に食われそうになりました。
そこに偶然の事故。（偶然じゃないですよね？続編への伏線かしらん。）
リゼの臓器を移植して生き延びたことから、半人半グールのカネキが誕生するわけです。
しかも強力なグールであるリゼの＜遺伝＞を受け継いだので、彼もまた強いグールになり得ます。
半人半グールのカネキの苦悩はそれは気の毒なくらいで、
人間を食料としか見られなくなった自分に懊悩するのですが、
これはまあ、まだ彼がまだ人間性を保っていた状態です。
一方、グールは日本社会全体としては被差別者的立場におかれているわけで、
表面上は人間と同じように暮らしているのですが、
正体が暴かれれば抹殺される可能性が高いわけです。
当然、グール側にも多くの悲劇が起きてしまいます。
その悲劇を間近に見聞きすることになった新入社員のようなカネキは、
人間、特にグールを殺害して回る喰種対策局（CCG）の捜査官に激しい怒りを覚えるようになり、
同時に狩る立場の快感、つまりグールとしてのアイデンティティに目覚めるのですが、
それも束の間、
やはり結局は苦しむことになります。
人間・グールどちらにもなりきれません。
そういう人間とグールの両方を知り苦悩するカネキのような存在を設定することで、このフィクションがある種の公正さのバランスを保つことができているわけです。
作品中に「この世界は間違っている」というフレーズが何度か流れましたが、つまり最終目的は両者の共存ということなのでしょうか。
しかし原作はかなりの長編のようで、本作はその本の一部の端緒にしか過ぎないそうです。
とすると、人間対グールの相克は、これから先も際限なく続くのでしょうか。
ましてスマホゲーム化が商業的に大きな目的となっている漫画であるなら、
ストーリーは決着を迎えないまま、人々が飽きるまで続いていく、つまりは消費されていくことになるのでしょうか。
よくあるそういう末路にならず、マンガとして、また、映画シリーズとして自立し、永く生き残っていければいいですね。
ただし、映画の続編を製作するなら、トーカ役の清水富美加さんは起用できないでしょうから、映画だけでファンになった人には寂しいかもしれません。
なぜなら、（主役の窪田さんは別格として、蒼井優さん、大泉洋さん,桜田ひよりさんが存在感を示した以上に、）
実は本作に絶対欠かせない立ち位置から格好良さを目一杯示したのがトーカ役の清水富美加さんだったからです。
私は本作で初めて彼女を知りましたが、いい俳優ですね。
出家はご本人の自由ですが、幸福の科学と無縁の私からは、勿体無いという思いが禁じ得ません。
グールたちの捕食器官をカグネ（赫子）というのだそうです。
このカグネは発生する体の場所や形が様々なのですが、これは興味深い発想ですね。
肩付近に生えるタイプならまるで天使のようです。
妻はトーカのカグネが気に入ったそうです。
最後に、一言。
映画鑑賞中も、またこの文を作成中も、
あの『寄生獣』と比較したい衝動が湧き上がってくるのですが、この時点ではやめておきます。
『寄生獣』は原作の愛読者で映画も観ています。
映画だけしか知らない『東京喰種』と比較論評するのはフェアではないように思うからです。
予告より
『東京喰種 トーキョーグール』
評価：☆☆☆☆☆・・・・・
年度：2017年
鑑賞：2018年BS/CSで視聴。
監督：萩原健太郎
原作：石田スイ
主題歌：illion（「BANKA」）
俳優：窪田正孝（カネキ） 清水富美加（トーカ） 鈴木伸之（亜門） 桜田ひより（ヒナミ） 蒼井優（リゼ）
大泉洋（真戸） 村井國夫 小笠原海 永近英良 白石隼也 相田翔子 柳俊太郎 坂東巳之助 佐々木希
浜野謙太 古畑星夏 前野朋哉 ダンカン 岩松了
製作国：日本
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予告より
コメント＋批評
原作漫画は全く知らなかったので、
主人公カネキのマスク姿を見たときには思わずカッケーっと叫んでしまいました。
映画全体、エンドクレジットに至るまでビジュアルが美しい映画です。
それもあって、細部を見落とすまいと身を乗り出すようなおもしろい映画でした。
カネキ役の窪田正孝さん、とてもいいですね。体の動きも、フィクションに照れずに本気で感情をぶつけるところも。
なんでも、原作者の石田スイさんたっての希望で主演に抜擢されたとか。
「十年前ならたっちゃん（藤原竜也）が演っていた」と妻。
なるほど、そういうポジションなんだな。
初主演映画がこの肩に力の入るファンタジー。
役柄が人間ではないグール（喰種）でもない、とは役者冥利に尽きますな。
窪田さん前途洋々の証かもしれません。
もっとも、カネキは元は平凡な人間でした。
グールのリゼ（蒼井優さん）を見染めたばかりに、彼女に食われそうになりました。
そこに偶然の事故。（偶然じゃないですよね？続編への伏線かしらん。）
リゼの臓器を移植して生き延びたことから、半人半グールのカネキが誕生するわけです。
しかも強力なグールであるリゼの＜遺伝＞を受け継いだので、彼もまた強いグールになり得ます。
半人半グールのカネキの苦悩はそれは気の毒なくらいで、
人間を食料としか見られなくなった自分に懊悩するのですが、
これはまあ、まだ彼がまだ人間性を保っていた状態です。
一方、グールは日本社会全体としては被差別者的立場におかれているわけで、
表面上は人間と同じように暮らしているのですが、
正体が暴かれれば抹殺される可能性が高いわけです。
当然、グール側にも多くの悲劇が起きてしまいます。
その悲劇を間近に見聞きすることになった新入社員のようなカネキは、
人間、特にグールを殺害して回る喰種対策局（CCG）の捜査官に激しい怒りを覚えるようになり、
同時に狩る立場の快感、つまりグールとしてのアイデンティティに目覚めるのですが、
それも束の間、
やはり結局は苦しむことになります。
人間・グールどちらにもなりきれません。
そういう人間とグールの両方を知り苦悩するカネキのような存在を設定することで、このフィクションがある種の公正さのバランスを保つことができているわけです。
作品中に「この世界は間違っている」というフレーズが何度か流れましたが、つまり最終目的は両者の共存ということなのでしょうか。
しかし原作はかなりの長編のようで、本作はその本の一部の端緒にしか過ぎないそうです。
とすると、人間対グールの相克は、これから先も際限なく続くのでしょうか。
ましてスマホゲーム化が商業的に大きな目的となっている漫画であるなら、
ストーリーは決着を迎えないまま、人々が飽きるまで続いていく、つまりは消費されていくことになるのでしょうか。
よくあるそういう末路にならず、マンガとして、また、映画シリーズとして自立し、永く生き残っていければいいですね。
ただし、映画の続編を製作するなら、トーカ役の清水富美加さんは起用できないでしょうから、映画だけでファンになった人には寂しいかもしれません。
なぜなら、（主役の窪田さんは別格として、蒼井優さん、大泉洋さん,桜田ひよりさんが存在感を示した以上に、）
実は本作に絶対欠かせない立ち位置から格好良さを目一杯示したのがトーカ役の清水富美加さんだったからです。
私は本作で初めて彼女を知りましたが、いい俳優ですね。
出家はご本人の自由ですが、幸福の科学と無縁の私からは、勿体無いという思いが禁じ得ません。
グールたちの捕食器官をカグネ（赫子）というのだそうです。
このカグネは発生する体の場所や形が様々なのですが、これは興味深い発想ですね。
肩付近に生えるタイプならまるで天使のようです。
妻はトーカのカグネが気に入ったそうです。
最後に、一言。
映画鑑賞中も、またこの文を作成中も、
あの『寄生獣』と比較したい衝動が湧き上がってくるのですが、この時点ではやめておきます。
『寄生獣』は原作の愛読者で映画も観ています。
映画だけしか知らない『東京喰種』と比較論評するのはフェアではないように思うからです。
予告より
Posted by gadogadojp at 10:00│Comments(0)
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