2018年05月01日

『闇金ウシジマくん』

データ
『闇金ウシジマくん』
評価:☆☆☆☆・・・・・・
年度:2012年
鑑賞:2018年BS/CSで視聴。
監督:山口雅俊
原作:真鍋昌平
俳優:山田孝之(丑嶋馨) 大島優子(鈴木未來) 林遣都(小川純) 鈴木文江(未來の母) 新井浩文(肉蝮)
   崎本大海 やべきょうすけ 片瀬那奈 岡田義徳 ムロツヨシ 金田明夫 内田春菊 黒沢あすか
   古舘寛治 希崎ジェシカ 市原隼人
製作国:日本
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『闇金ウシジマくん』

予告編より



コメント

山田孝之さん見たさにCS日本映画専門チャンネルで視聴。

TVシリーズは未見ですが、原作漫画は、雑誌で一回分を読んだ記憶があります。意外に静止画が多いことと、かなりの残虐シーンがあったことが印象に残っている程度です。
一回きりのその読画と比べるのもよくないですが、本作の方には残虐シーンが少ないように感じました。ややマイルドに仕立てているのでしょうか。

はじめ山田孝之さん演じる闇金業者丑島薫に注目し過ぎていたため、この作品を見損なうところでしたが、
丑島はやや狂言回しポジションに立っているようですね。
そう言えば、私の好きな漫画『ナニワ金融道』でも帝国金融は脇役で、そのつどの客こそが主人公。
本作の事実上の主役は、林遣都さん演じる小川純なんだと気がついた後は、私に「観る目」が出来上がりました。


『闇金ウシジマくん』

予告編より


そういう目で見ていくと、本作の最大の見所は、林遣都さんの演技でしょう。
人望のない小者なのに野心だけは燃え盛っていて、
けっきょくその目論見はすべて空回りしてしまう、、
そんな若者の焦燥感が、「動」の演技を通じてよく表現されていました。
林遣都さんと言えば、TVドラマ『精霊の守り人』(NHK)における星読博士シュガの「静」の演技が印象深かったため、
おお、達者な役者なんやなと見直しました。


『闇金ウシジマくん』

予告編より


AKB48時代の大島優子さんも重要な役所で出演しています。
破綻者の母親の借金を背負うニートの鈴木未來役なのですが、
ウリ(売春)に走りそうで走らず、遂に借金を返済し終わるピュアな女の子の役は、
アイドルとして仕方ない設定でしょう。
ただ、今年のWOWOWのドラマ『コートダジュールN゚10』では、小林聡美さん、もたいまさこさんら超絶に濃い面々と同じ画面に登場しても、堂々と自立して映っていた大島優子さんは、使われ方さえ誤らなければこの世界で生き抜いていけそうに思います。そういう意味で前田敦子さんと(持ち味は違えど)同じタフさが備わっているのでしょうね。


『闇金ウシジマくん』

©Shohei Manabe / 小学館


山田孝之さんはさすがの存在感でした。この目つき、人物造形なら、(自分は読んでいないけれど)原作漫画のファンも満足しているのでは?
TVドラマ『ちゅらさん』でえりぃの弟役をしていたあのかわいい山田くんが、、、、童顔の俳優は苦労するだろうにじょうずだわ、と妻が申しております。
山田さんは、底知れない可能性を秘めた俳優だと私は感じています。
十年先、二十年先に、さらにスケールの大きな役者になっているだろうと予感します。

他に、岡田義徳さん、鈴木文枝さん、古舘寛治さん、新井浩文さん、そしてちょい役で登場した市原隼人さん。
これらワキを固める人たちのしっかりした演技も良かったです。
新井さんなど、エンドクレジットに名前があって驚きました。


ストーリー自体は、やや甘め。
大島優子さんのように借金を返済する意思のある人物に対しては暴力的でない取り立てをすることは構わないのです。
いわゆる「底辺社会」で苦しみ、闇金に手を出す人々を生み出す社会的背景のような普遍性が感じられないところを甘めと言いました。
原作漫画ではそのあたりはどう描いているのでしょうね。

『ナニワ金融道』では、全てのストーリーの背景に、現代社会の矛盾が横たわっているのが見えていましたから。




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Posted by gadogadojp at 10:00│Comments(0)映画
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