2018年04月25日
『ちはやふる -上の句- 』『ちはやふる -下の句-』
データ
『ちはやふる -上の句- 』『ちはやふる -下の句-』
評価:☆☆☆☆☆・・・・・
年度:2016年
鑑賞:2018年BS/CSで再視聴。
監督:小泉徳宏
原作:末次由紀
俳優:広瀬すず(千早) 野村周平(太一) 真剣佑(新) 上白石萌音(大江奏) 矢本悠馬(西田優征)
森永悠希(駒野勉) 清水尋也(須藤暁人) 松岡茉優(若宮詩暢) 松田美由紀 國村隼
製作:日本
allcinemaの情報ページはこちら
(C)2016 映画「ちはやふる」製作委員会 (C)末次由紀/講談社
コメント
主人公にはガッツがあるがちょっとドジなところがあって、過去につながる頑張るための動機があって、存在感ある憎まれ役ライバルがいて、それも次々現れて、失敗があって落ち込み、仲間のギクシャクもあって、、、でも最後には成功する、、、
何から何までオーソドックスなスポ根(?)青春ドラマ。
オーソドックスなので退屈かと思いきや、これがなかなか見せます。
冒険はないが破綻のない脚本のおかげなのか
ほぼ退屈しないで二本を観きりました。
広瀬すずさんの体当たりの役作りはいつものことですが、
やはりその輝きは大きな価値があります。
彼女を「見る」ためだけに多くの観客が映画館に押し寄せたとしても責められません。
スターですね。
部活動の仲間たち、
特に肉まん役の矢本悠馬さんの絶妙のウケの演技がお見事でした。
ライバル校の嫌味な主将役の清水尋也さんもいいですね。
(TVドラマ『anone』でも広瀬すずさんと共演しました。病室のシーンは少し泣けました。)
二人とも注目しておきます。
とはいえ、
若手の中で演技的にピカイチだったのは、やはりさすがの松岡茉優さん。
一目で相手を殺せる演技は、出演若手の誰も真似ができないでしょう。
それなのに演技的に出しゃばり過ぎない間合いは大したもの。
「次元が違う」と妻は言いました。
批評
原作は読んでいないのですが、長編漫画ですから、さまざまな人間関係や多くのエピソードが描かれているはず。
それを実写化する際には、物語の主軸をどこに置くのかを定め、
これに合わせてどの登場人物とエピソードを採用するのかを決める。
理屈の上ではざっとこういう手順を踏んで進めていくのでしょう。
ところが、
これまでいくつかの漫画原作を実写化した映像作品を見ましたが、
こういう基本的な手順がきちんと行われていない(orディスカッションされていない)ために、
とっちらかった筋立てになってしまったものがありました。
そういう点でこの『ちはやふる』は、
おおむねうまくいっているのではないかと思います。
これが上下退屈せずに見られた最大の原因ではないかと思いました。
千早・太一・新という昔馴染みの三人の人間関係と、
部活動の仲間としての千早・太一・奏・優征・勉という五人の人間関係という、
二つの主要なコアがあり、
両者が(過去現在入り乱れて)絡み合って作品が出来上がる、その構図は混乱なく成功していると思います。
ただし、そこに千早と太一というペアの関係が混じりこみます。
しかも、それは太一の一方的な恋慕という描き方ですし、
千早は新に(無自覚にせよ)恋しているとも受け取れます。
そこで事態はやや複雑化します。
いえ、ストーリーの要素が増え複雑になっても必然であればそれは構わないのです。
端的に言えば、この映画の主役は誰なのか、という問題を言っているのです。
千早と太一のダブル主役ならば、太一の立場に立ったシーンが多いことは理解できるのですが、
正直なところ、広瀬すずさんと野村周平さんのスター性の輝きは雲泥の差なので、
バランスが悪くなります。
もっと思い切ってピラミッドの頂点に千早を輝かせ、
太一目線のシーンを減らした方がより完成度が高くなったかな、と感じました。
もう一点、言っておきたいのは、
カルタが一番楽しかった頃を思い出す、という重要なシーンで、
千早が思い出すのは常に千早・太一・新トリオ時代の過去の思い出です。
何を思い出すのも千早の勝手ですが、
私としては現在の部活動の仲間を思い出して欲しいな。
あなたが強引に創部したクラブなのですから。
『ちはやふる -上の句- 』『ちはやふる -下の句-』
評価:☆☆☆☆☆・・・・・
年度:2016年
鑑賞:2018年BS/CSで再視聴。
監督:小泉徳宏
原作:末次由紀
俳優:広瀬すず(千早) 野村周平(太一) 真剣佑(新) 上白石萌音(大江奏) 矢本悠馬(西田優征)
森永悠希(駒野勉) 清水尋也(須藤暁人) 松岡茉優(若宮詩暢) 松田美由紀 國村隼
製作:日本
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(C)2016 映画「ちはやふる」製作委員会 (C)末次由紀/講談社
コメント
主人公にはガッツがあるがちょっとドジなところがあって、過去につながる頑張るための動機があって、存在感ある憎まれ役ライバルがいて、それも次々現れて、失敗があって落ち込み、仲間のギクシャクもあって、、、でも最後には成功する、、、
何から何までオーソドックスなスポ根(?)青春ドラマ。
オーソドックスなので退屈かと思いきや、これがなかなか見せます。
冒険はないが破綻のない脚本のおかげなのか
ほぼ退屈しないで二本を観きりました。
広瀬すずさんの体当たりの役作りはいつものことですが、
やはりその輝きは大きな価値があります。
彼女を「見る」ためだけに多くの観客が映画館に押し寄せたとしても責められません。
スターですね。
部活動の仲間たち、
特に肉まん役の矢本悠馬さんの絶妙のウケの演技がお見事でした。
ライバル校の嫌味な主将役の清水尋也さんもいいですね。
(TVドラマ『anone』でも広瀬すずさんと共演しました。病室のシーンは少し泣けました。)
二人とも注目しておきます。
とはいえ、
若手の中で演技的にピカイチだったのは、やはりさすがの松岡茉優さん。
一目で相手を殺せる演技は、出演若手の誰も真似ができないでしょう。
それなのに演技的に出しゃばり過ぎない間合いは大したもの。
「次元が違う」と妻は言いました。
批評
原作は読んでいないのですが、長編漫画ですから、さまざまな人間関係や多くのエピソードが描かれているはず。
それを実写化する際には、物語の主軸をどこに置くのかを定め、
これに合わせてどの登場人物とエピソードを採用するのかを決める。
理屈の上ではざっとこういう手順を踏んで進めていくのでしょう。
ところが、
これまでいくつかの漫画原作を実写化した映像作品を見ましたが、
こういう基本的な手順がきちんと行われていない(orディスカッションされていない)ために、
とっちらかった筋立てになってしまったものがありました。
そういう点でこの『ちはやふる』は、
おおむねうまくいっているのではないかと思います。
これが上下退屈せずに見られた最大の原因ではないかと思いました。
千早・太一・新という昔馴染みの三人の人間関係と、
部活動の仲間としての千早・太一・奏・優征・勉という五人の人間関係という、
二つの主要なコアがあり、
両者が(過去現在入り乱れて)絡み合って作品が出来上がる、その構図は混乱なく成功していると思います。
ただし、そこに千早と太一というペアの関係が混じりこみます。
しかも、それは太一の一方的な恋慕という描き方ですし、
千早は新に(無自覚にせよ)恋しているとも受け取れます。
そこで事態はやや複雑化します。
いえ、ストーリーの要素が増え複雑になっても必然であればそれは構わないのです。
端的に言えば、この映画の主役は誰なのか、という問題を言っているのです。
千早と太一のダブル主役ならば、太一の立場に立ったシーンが多いことは理解できるのですが、
正直なところ、広瀬すずさんと野村周平さんのスター性の輝きは雲泥の差なので、
バランスが悪くなります。
もっと思い切ってピラミッドの頂点に千早を輝かせ、
太一目線のシーンを減らした方がより完成度が高くなったかな、と感じました。
もう一点、言っておきたいのは、
カルタが一番楽しかった頃を思い出す、という重要なシーンで、
千早が思い出すのは常に千早・太一・新トリオ時代の過去の思い出です。
何を思い出すのも千早の勝手ですが、
私としては現在の部活動の仲間を思い出して欲しいな。
あなたが強引に創部したクラブなのですから。
Posted by gadogadojp at 10:00│Comments(0)
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